坂口志文教授がロベルト・コッホ賞を受賞

ドイツのロベルト・コッホ財団は、IFReCの坂口志文特任教授に2020ロベルト・コッホ賞を授与することを発表しました。

ドイツの高名な細菌・免疫学者の名前を冠したこの賞は、ドイツで最も権威ある学術賞と見なされています。今回の受賞は制御性T細胞(Treg)に関する坂口教授の画期的な業績を称えるもので、賞金として12万ユーロが授与されます。

坂口教授によって発見されたTregは、体内を循環する免疫細胞が身体自身の組織を攻撃するのを防ぐため、免疫システムの「ピースメーカー」と見なされています。Tregの臨床応用研究は積極的に進められています。例えば、自己免疫疾患、アレルギー、さらには臓器移植の際の過剰な拒絶反応を減らすためにTregを強化することが可能です。ガンの場合は腫瘍組織でTregの割合が大幅に増加しており、腫瘍細胞に対する免疫が抑制されています。したがって、免疫系が腫瘍に対してより効果的に作用するために、Tregの活性を抑制することが重要です。

授賞式は2020年11月13日にベルリンで開催される予定です。

ロベルト・コッホ財団