制御性T細胞を安定化させるタンパク質を発見(市山-坂口 G, in Immunity)

転写因子 Ikzf1は、制御性T細胞 (Treg)のマスター転写因子である Foxp3と相互作用することが知られていましたが、Tregにおけるその役割は不明でした。

免疫学フロンティア研究センター (WPI-IFReC) の市山 健司 特任准教授、坂口 志文 特任教授らの研究グループは、大塚製薬株式会社、米国ハーバード大学との共同研究で、転写因子 Ikzf1が自身の Exon 5 (IkE5) 領域を介してFoxp3と結合することを見出しました。さらに、Treg特異的に IkE5を欠損させると、IFN-γの過剰産生を介した Tregの機能不安定化が誘導され、マウスが重篤な炎症性疾患を発症することから、Foxp3と Ikzf1の相互作用が Tregの機能安定性維持に重要であることを明らかにしました。今後、Foxp3および Ikzf1の相互作用を標的として、自己免疫疾患や癌の画期的な治療法開発が期待されます。
(online publishing in Immunity on Aug. 6, 2024 EST)

解説 (PDF)

Article​ (外部リンク)